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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁
この和尚は拳骨の名人であります。拳を固めて物を打てば、その物がみな凹むから、一名を拳骨和尚とつけられました。
この拳骨和尚がまだ若い時分に、越前の永平寺に安居していました。その時にある夜、和尚はいたずらをしました。そのいたずらは鐘楼から釣鐘を下ろして、それを山門の外へ持って行って打捨ったのであります。翌る朝になって寺の坊さんたちが驚きました。誰がこんないたずらをしたか知らないけれども、とにかく、元の通りに鐘楼へ持って行ってかけねばならぬと、大勢して騒いでいるとなにくわぬ面をしてそこへ現われた拳骨和尚は、
「僅か一つの鐘を、そんなに大勢して騒いでも仕方がないではないか」
と言って、からからと笑いました。
「僅か一つと言うけれど、その一つが釣鐘だ、笑っていないで何とか知恵があったら知恵を貸せ」
「それはお安い御用よ、おれに茶飯を振舞いさえすれば、一人で片づけてやる」
この和尚の力のあることは坊さんたちがみんな聞いていたから、ともかく、茶飯を食わせてみようではないかということになって、充分に茶飯を振舞うと、和尚は軽々とその鐘を差し上げて、元の通り鐘楼の上へ持って来てかけてしまった。