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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁

青空文庫

とにかく、こうして駕籠は勝沼の町の富永屋庄右衛門という宿屋の前へ来て、再び土の上へ置かれました。

慢心和尚はその宿屋の前へ立って、拳を上げてトントンと戸を叩きましたけれど起きませんでした。大抵の場合には、時刻を過ぎては狸寝入りをして、知っていても起きないことがあるのでしたから、慢心和尚は、やや荒く戸を叩いて、

「富永屋、富永屋……庄右衛門、庄右衛門、恵林寺の慢心だよ、慢心が出て来たのだよ、起きさっしゃい」

こういうと慢心の利目が即座に現われて、家中が急に混雑をはじめました。

慢心和尚はここの家へ二人を送り込んでから、スーッと帰ってしまいます。

駕籠の中の主が、お君であったということを、兵馬はこの宿屋の一室へ来て、はじめて知りました。お君はその前から感づいていたけれど、口に出して言うことはできませんでした。兵馬にとっては意外千万のことです。ことに神尾主膳のために駒井能登守が陥れられた一条を聞いて、兵馬は気の毒と腹立ちとに堪ゆることができません。

またその後のお松の身の上を聞いてみると、やはり危険が刻々と迫っていて、今日は逃げ出そうか、明日は忍び出そうかと、そのことのみ考えているということを聞いて、それも心配に堪えられませんでした。