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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁

青空文庫

「大丈夫。まあその合羽をお出し」

お角はがんりきの手から、雨に濡れた合羽を受取って、そっと裏の方から竿にかけました。

「やれやれ」

旅装を取ったがんりきは火鉢の前へ坐りました。お角もまた火鉢によりかかりました。それから、ひそひそ話で、時々目面で笑ったり睨めたりして、かなり永いこと話が続きましたが、

「それじゃ、今夜は泊り込むとしよう、だが明日の朝は、また鳥沢まで行かなくちゃあならねえのだ」

「ほんとうに落着かない人だ、いくら足が自慢だからと言って、そうして飛び廻ってばかりしているのも因果な話」

「どうも仕方がねえや、こうしてせわしなく出来ている身体だ」

「あ、そりゃそうとお前さん、鳥沢へ行くのなら、お客様を一人、案内して上げてくれないか、まだお若いお侍だけれど、手形を失くしてしまって困っておいでなさる様子、抜け道を聞かしてもらいたいとわたしに頼むくらいだから、ほんとうに旅慣れない初心な女のような若いお侍だよ」

「なるほど、そりゃ案内してやっても悪くはねえが、こちとらと違って、あとで出世の妨げになってもよくあるめえからな、それを承知で、よくよくの事情なら、ずいぶん抜け道を案内してやらねえものでもねえ」