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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁
そのうちに、競馬のはじまる時刻が近づいて、国内から選りすぐって厩につないである馬は、勇んで嘶きながら引き出されました。同じ国内から選び出された騎手は武者振いして、馬の平首を撫でながら、我こそという意気を眉宇の間にかがやかしています。けれどもこうして、すべての桟敷も埋まり、見物も稲麻竹葦の如く集まっているのに、今日の催しの主催者であるべき駒井能登守が見えないのに、なんとなく物足りない気持をしているものもありました。しかし、その心配は直ちに取払われてしまいました。
「御支配様」
という声のする東の口を見れば、そこから黒く逞しい馬に乗って馬丁に馬の口を取らせ、自分は陣笠をかぶって、筒袖の羅紗の羽織に緞子の馬乗袴をつけ、朱い総のついた勝軍藤の鞭をたずさえ、磨ぎ澄ました鐙を踏んで、静々と桟敷の方へ打たせて行くのは駒井能登守。
「好い男だなあ!」
と見物の者が感歎しました。それは弥次で言ったのではなく、ほんとに感心して、
「好い男だなあ!」
とどよめいたことほど、能登守の男ぶりは水際立った美男子でありました。それはまず大入場の連中を唸らせたほかに、かの雛壇の連中をして、