輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠4(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 264,133 字 · 524 頁
二人とも笠を被って長い合羽を着て、脇差を一本ずつ差していました。先に立っている方が年配で、あとから行くのが若いようです。
「大へんな景気だな」
と言って立ちどまったところは要害山の小高いところであります。ここから見下ろすと、馬場を取巻いた今日の景気を一眼に見ることができます。
「大当りだ」
と言って若い方が笠の紐を結び直しました。そうすると年配の方は、松の根方の石へ腰をかけて煙草を喫みはじめました。
若い方は別に煙草も喫みたがらず、腰もかけたがらずに、しきりに馬場の景気、桟敷の幔幕、真黒く波を打つ人出、八幡宮の旗幟、小屋がけの蓆張などを、心持よかりそうにながめていました。
年配の方は七兵衛であって、若い方はがんりきの百蔵であります。どこにどうしていたのか、この二人は流鏑馬を当て込んで、また性も懲もなく、この甲府へ入り込もうとするらしい。どのみちこの二人が当て込んで来るからには、ロクな目的があるわけではなかろうけれど、ドチラにしてもこの面で、甲府へ真昼間乗り込もうとするのは、あまり図々しさが烈しいと言わなければならぬ。けれども二人としては、この機会に何かしてみなければ気が済まないのでありましょう。