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きめんじょうのひみつ

奇面城の秘密/夜光人間

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《奇面城の秘密/夜光人間(きめんじょうのひみつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 150,254 字 · 300 頁

青空文庫

いつまでたっても、銀色のすがたは消えません。消えないばかりか、なにかしらへんなことが、はじまったのです。

ぶるるん、ぶるるん、ぶるん、ぶるん……と、みょうな音が聞こえてきました。木のてっぺんから聞こえてくるのです。

「アッ、飛んでる、飛んでる……。」

チンピラのひとりが、とんきょうな声をたてました。

たしかに、飛んでいるのです。銀色の夜光怪人のからだは、木のてっぺんをはなれて、星空たかく舞いあがっていくのです。

砂をまいたような星空を、赤い目をかがやかせ、口からほのおをはいた銀色の人間が、スウッとのぼっていくのです。まるで童話のさしえでも見ているような夢のようなけしきでした。

夜光怪人は、はねもないのに、どうして空へのぼっていくのでしょう。なにか、しかけがあるのでしょうか。

読者諸君は、『宇宙怪人』の事件で、二十面相が、空を飛んだことをおぼえているでしょう。あれはヘリコプターのプロペラのようなものを、小さい発動機につけて、背中にしょっていたのです。そういう機械を発明したフランス人から、二十面相が買いいれて、宇宙怪人に化けたのでした。

夜光怪人は、あれとおなじ機械を、木のてっぺんにかくしておいて、それを背中にくくりつけて飛んだのかもしれません。