輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《妖虫(ようちゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 頁
「八卦見じゃあるまいし、こんなことがどうして分るのです。それとも、あんた自身が、丁度この時間に、賊を逮捕して見せるとでもおっしゃるのですか」
「そうですよ。つまり、そういう結果になるのですわい」
何だか変な具合であった。まるで誇大妄想狂を相手に物を云っている感じだ。この親爺全くの気違いか、それともズバ抜けたえら物かどちらかに相違ない。
「でも、二時三十分と云えば、丁度今ですが、まさか、今すぐに犯人を捕まえることは、……」
殿村夫人が腕時計を見て、嘲るようにさし出口をする。
「今すぐに捕まえるのです。……なにしろ、わしはこの大切な白髪首をかけていますのでな」
老人の言葉は益々気違いめいて来る。
「マア、今すぐにでございますって? ホホホ……、では、あの赤蠍の賊が、この部屋にいるとでもおっしゃいますの?」
「そうです。憎むべき怪物は、今、この部屋におるのです」
老探偵はズバリと云ってのけた。彼の好々爺の表情が忽ち緊張して、その鋭い両眼は、刺す様に輝き始めた。
冗談ではなかったのだ、この妙な老人には、何かしら成算があるらしい。それにしても、あの恐るべき兇賊がこの一座の中に隠れているとは、何という突拍子もない断言であろう。