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ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《妖虫(ようちゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 120,290 字 · 239 頁
動く岩
自慢がしたい年ではない。本当の目的はもっと外にあったのさ。わしはお前達を話で釣って、待っていたのだよ。ホラ、うしろをごらん。そこへ来た人達を待っていたのだよ」
これには流石の青眼鏡もギョッとして、云われた通りうしろを振向かないではいられなかった。偽探偵も同様、二人は首を揃えて背後の竹藪を振返った。
動く岩
すると、アア、これはどうだ。彼等が振返るのを合図の様に、竹藪がザワザワと鳴って、掻き分けられた竹の葉の間から、人間の顔が一つ二つ三つ四つ……合計五人。その中の一人は真先に藪を飛び出すと、いきなり倒れている珠子の側へ駈け寄って、抱き起しざま、正気づける様に、その名を呼び続けるのであった。彼女の兄の相川守青年だ。彼が老探偵と一緒に悪漢の服を着て、運転手と化ていたことは、読者も既に気づかれた通りである。
竹藪から現われたあとの四人は、云うまでもなく、守青年が急を知らせて同行した警察署の人々だ。私服が二人、制服が二人、いずれも捕物に年期を入れた、老練の警官達である。
「ヤア、警官方、待ち兼ねました。早くこの二人を押えて下さい。ピストルを持つ手がしびれ相ですわい」