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やまのこんじゃく
山の今昔
木暮 理太郎
線上閱讀木暮 理太郎《山の今昔(やまのこんじゃく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,554 字 · 42 頁
中には農耕生活に同化した者もあろうが、其多数は従来の生活様式を棄て兼ねて、安住の地を平地と交渉の少ない山奥にもとめたのは当然である。彼等も平原から移入した火田法を附近の森林に施して、粟や稗などを作り世渡りの助としたであろうが、其生活は狩猟本位であったから、山と最も交渉の深い人達であったことは疑いない。後になって平地の生存競争に敗れた幾群かの人達も亦山奥に逃れて、其処に乏しい、然しながら自然以外からは脅威も圧迫も受けない、安易な生活を楽しんでいたことと思われる。こういう人達も亦おのずから狩猟を生活の要素として取り入れたであろうから、従って又山との交渉も生じた訳である。
こうしてつくられた部落の多くは、肥後の五箇庄や、庄川上流の桂又は気多川奥の京丸などのように、山中の別天地として一般世間から忘れられたまま、永い間全く埋もれていたものもあるが、後から後からと川筋を開拓して侵入し来る平地人と多少の交渉は避け難かったであろうし、又山脊を境として相隣れる部落と部落との間にも、ふとした機会から何時しか必要に迫られた交通が行われて路が開かれ、ここに後の峠なるものが発達したものと想われる。