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やまうらきよまろ

山浦清麿

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《山浦清麿(やまうらきよまろ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 45,573 字 · 91 頁

青空文庫

張板を立てて、襤褸を洗い張りしていたお次は、気の毒そうに、そっと寄って。

『どうしたの……どうなすったの……』

『かまわないでくれ。……おらあ、唯、自分が鈍に生れたのが恨めしい』

『又、叱られたんでしょう。ここが、怺えどころですよ。何んな職業だって、修業の道は辛いものと極っています』

その時、玄関の方で、

『頼もう。――山田浅右衛門の使の者でござるが』

と、厳めしい口のきき方をした使者の訪れが聞えて来た。

催促である。

お次が、出て行って、聞くと、

『註文の刀は、ぜひ年内に欲しいのでござる。――という次第は、鍛ち下ろしを戴いた翌日――いつも朝の未明でござるが、罪人の死体をお上より申しうけ、新刀試しをいたしておきたいと主人が仰っしゃる。――それには、初春にかかっては、何かと、困り申すので』

口上は、裏の方まで、よく聞えて来た。

清人は、威勢よく、涙の顔をこすって、仕事場へ這入って行った。

『師匠。……すみません。これから、自分の愚鈍へも鑢をかけて、猶、一生懸命にやりますから、どうか、もっと叱って下さいまし』

六

年暮に押迫った極月の二十七日頃。

小塚っ原は、霜柱で真っ白だった。