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ねんじゅうぎょうじおぼえがき

年中行事覚書

柳田 国男

線上閱讀柳田 国男《年中行事覚書(ねんじゅうぎょうじおぼえがき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 135,005 字 · 262 頁

青空文庫

、たまたまこういうことに注意しようとする者があっても、それを民間信仰だの民俗学だのと名づけて、よその道楽のように看過していたために、時代の変遷に会う毎に埋没はいよいよ甚だしく、結句めいめいの迷いを散じ蒙を啓くために、手近に見つかる知識をさえなくしてしまうのである。私の仕事なども取掛りが遅かった故に、間に合うかどうかは甚だ心もとないが、一人で為し遂げられぬなら手分けをしてなりとも、もう少し前の方へ推し進めておきたく、それにはまた時機もあり持場の適不適もあるかと思うので、ここに讃岐の同志の鹿島立ちの日を利用して、一つサンバイサンのことを説いておこうと思う。年をとるととかく話がくどくなる。うまく一文のうちに言いたいことを尽し得るや否や、それがやや心配である。

田中君の葉書というのはごく手短かで、もっと調べて下さいと言ってやったのだが、まだその返事は来ない。その内容は、白鳥からの帰り途、三本松の駅の近くの田圃に、稲刈りの跡の土を少し盛り上げて、そこに一株の稲を刈り残し、その前に青竹を立てて花をさして供えてあったという、たったこれだけの事実であったけれども、二つの点において私をびっくりさせたのである。