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ねんじゅうぎょうじおぼえがき

年中行事覚書

柳田 国男

線上閱讀柳田 国男《年中行事覚書(ねんじゅうぎょうじおぼえがき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 135,005 字 · 262 頁

青空文庫

百姓恵比須講

佐渡の農村などは一帯に、二月上旬の一日を祭始め、十二月八日ではないが、その前後の式日を祭じまいとして、それに先だつ幾日かが物忌であった。暦の本が田舎に行き渡るまでは、昔の人たちは月の姿によって日を算えていたので、少しずつの日のちがいは出来たが、大体に初冬の十月十日までは亥の子の日に対して、二月は月始めの十日前後が、新しい稲作の支度にかかる日であり、同時にまた祖先以来の神の力を思う日でもあった。

今でも広く知られている二月二日の灸すえ日なども、これを考えると私たちには意味が深い。東北では二月のコト八日の次の日をヤサラと称して、八つの皿に濁り酒をついで祝い事をする風がある。この日を作始めという例は信濃にも石見にもある。丹後や因幡で春亥の子というのも、この二月始めの亥の日であって、共に田畠に出て耕作のまねをした。すなわちこれもまた民間の祈念祭で、この日こそ本当に、古来の神をお迎え申す日だったのである。

百姓恵比須講

今でも国民の多数がただ何となく続けて、しかも自分でも意味がないと思っている折目の日が、冬の季節に入って特に多いのは、恐らく五節供の影響であろう。