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わすれのこりのき
忘れ残りの記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《忘れ残りの記(わすれのこりのき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 193,050 字 · 383 頁
昭和四年
昭和五年
昭和六年
そのため家庭内にかえって不幸な兆あるを見、勉強の邪魔なりとして、建築家浜田氏に托し、上落合の新居に全部を費消す。また、読売新聞社営業局長矢野氏の仲だちにて、某実業家の女中に生ませたる一女を、帝大産科の室よりただちに養女に貰いうく。園子と名づける。
昭和四年(1929) 三十七歳
上落合の新居に移る。
「恋ぐるま」冨士。「八寒道中」を講談倶楽部に。「貝殻一平」を大阪朝日に書く。
昭和五年(1930) 三十八歳
「江戸城心中」を新愛知、河北、北海タイムスに起稿、翌年にわたる。
徹夜仕事、飲み歩きなど、不摂生つづく。家事また顧みず、内事複雑、この頃、恐妻家の名をはくす。一夜、万年筆を袂に、ふらふらと女中の下駄をはいたまま家庭を出奔、以後、遠隔の温泉地を転々として家妻の眼を避く。オール読物のため旅先にて短篇「梅※(「風にょう+思」、第4水準2-92-36)の杖」など書いては送る。多くは上林、上山田温泉にとどまる。四谷の一妓、おなじく東京を出奔して尋ねて来、ずるずるべったりに一しょに居る。上山田警察の刑事が来て、両名、つぶさなる取調べを受く。
昭和六年(1931) 三十九歳