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わすれのこりのき
忘れ残りの記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《忘れ残りの記(わすれのこりのき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 193,050 字 · 383 頁
大正十二年
後、学芸部を併せてデスクを持つ。編輯局長は徳光衣城氏。その前後、同社に籍をおいていた者には渋川玄耳、椋鳩十、岡鬼太郎、三上於菟吉、尾崎士郎、井上唖々、楠田敏郎、川上三太郎氏などがあった。
週毎の「日曜附録」に毎号童話を書き十数篇にのぼる。初めての取材訪問に有島武郎を訪い、その談話筆記の稚拙に笑われる。また本紙上に「新女人国記」を書いて些か読まれ、その取材歩きに、今井邦子、埴原久和代、奥むめお、山根千代子、小寺菊子、白鳩銀子、長谷川時雨、二代目ぽん太、伊藤野枝、岩野泡鳴夫人、原信子、久野ひさ子などの女流を訪う。家、本郷千駄木町の妹カエの二階へ移る。毎夕紙上に「親鸞記」を社命にて連載執筆、自分にとり初めての新聞小説となる。
大正十二年(1923) 三十一歳
処女作「親鸞」毎夕出版部にて単行本となる。
九月、関東大震災。社屋焼失。
新聞休刊、社業再起の見こみたたず、全社員一応解散ときまる。焦土の生計として上野の山に葭簀を持ち牛飯を売る。夜々、焦土流離の人々と樹下に眠り、あらゆる境遇と人間の心に会う。――この事より卒然と文学の業の意義深きを感じ、身辺すべての物を売って、十月中、北信濃の角間温泉へ籠る。