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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
線上閱讀室生 犀星《我が愛する詩人の伝記(わがあいするしじんのでんき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 116,728 字 · 231 頁
昭和四年二十六歳、「無器用な天使」を『文藝春秋』に書いた。編輯の菅忠雄がこれをすいせんしたものである。二十六歳でこの大雑誌に執筆したことは、当時にあっては作家として早い方であった。その後、一作品ごとに彼の作品にある、清潔感は人びとの愛するところになり、編輯する雑誌社の人も、他の作家とことなるところを稀なものとし、これを迎えた。
堀が原稿のことでただ一度私に相談したことがあった。結婚して間もない頃だったが、少し金の取れる仕事をしたいというので、当時『むらさき』という古典文学を基礎にした文学雑誌の編輯者の小笹功に、私は堀が連載を書きたいと言っていると話をしたが、小笹功は喜んで載せるといってくれた。堀は毎月『むらさき』に書いたのが、「幼年時代」だったのである。何ヵ月続いたか分らないが、半年近くで堀の方から中止にした。つまり毎月趁われて書くのがつらいらしかった。後に『婦人公論』に「大和路・信濃路」を書いたが、これも中途でやめたが、これは『婦人公論』の申込みであって私には関係がない。堀の連載物はこの二つきりであるらしい。連載というものは作者の健康が横溢していないと書けないものだ。