輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
線上閱讀室生 犀星《我が愛する詩人の伝記(わがあいするしじんのでんき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 116,728 字 · 231 頁
二階にあがるとそこにもう一人の女のひとが、いままで白秋と話をしていたらしく、来客と聞いて机のそばから立ち上った際で、ほとばしる紅顔長身はちょっと天井につかえるほど、せいの矮い私にはなりの高い人に見えた。紅顔長身のひとはすぐ家子さんと階下に行き、私はあれは誰だろうと思った。ちらと見るほど女の人の美しく見える瞬間はない、とりわけ貧窮と孤独にやつれている私の眼には、失礼な言分だが夢二式のいいようもないユメミテエルような大きな瞳をしている令妹家子さんを見るだけでも、そわそわしているのに、長身の人はすでにかくれて現われなかった。あとさき一度しか見なかったこの美女は、人の奥さんであった松下俊子さんであった。彼女は隣家に住んでいて、白秋は若気のあやまちで、この人の美所に憑かれたのである。後にこの夫から訴えられ、未決監に青衣を着てはいらなければならなかった。白秋は女の人に優しくあったし、女の美所をみることは、あとさきのことは半分考えても、美所が匂えばあとの半分は構わない人なのだ。誰でもそうなのだ、女のひとに美所が見えそれに走らなかった人の生涯なんて、カンナ屑みたいに乾き切っているものだ、生涯にまちがいのなかった奴は碌なしごとも出来ないガチガチ男なのだ。