輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 190,406 字 · 381 頁
大地は箒目さえ立ってきれいに掃いてあった。工事場はもう今朝の夜明けと同時に、工事場ではなくなっていた。
信長は、案外だった。
滅多に意外を感じない――また少しぐらい感じても顔色に見せない彼も、三日の短時日に全工事を仕上げて、しかもその後、自分の検分を予想してか、残りの材木や石や塵芥など、すべて城外へ運び出させてしまい、きれいに掃き清めてまである行き届いた手際に、
「おお」
と、思わず機嫌のよい――そして、その上機嫌からこぼれる愕きをも顔に現わして、
「やったのう。――これ見い、猿めが、やりおったことを!」
と、扈従の者を振り向いて、あたかも自分の功名のようにいった。
そしてすぐ。
「彼は、どこに居るのか。余りにも今朝は、誰もここに見えぬではないか。藤吉郎を呼んで来い」
と、命じた。
近侍は、立ちかけたが、
「あれへ、木下殿が参るようにござります」
と、指さした。
大手の唐橋はそこから眼の下に見えた。藤吉郎の姿は駈足で、その唐橋を渡ってくるのだった。
明け方、大手先まで運び出した足場丸太だの、残りの材木だの石だの、また工具や莚のような物は、一先ず山のように濠端に積んであった。