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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 190,406 字 · 381 頁
純粋なる禅家ではない。政僧であり、軍僧であり、また怪僧といえばいえる存在だった。――だが偉きな人物は、どう呼んでも、依然、偉きな存在であることに少しの変りもなかった。
(――洞窟にかくれたり、行雲流水に身一つを飄々と送っていたり、そんなのばかりが、高僧ではない。僧もその折々の時勢によって使命がちがう。今のような世の中に、おのれ独り高く取り澄し、身一つの仏果のみ考えて、世俗を厭うかのように、山野の無事を偸んでおるなどという生き方こそ、憎い野狐禅ではある。俗の中には、俗の眼でもわかる偽者しかおらぬが、君子聖人のうちには、らっきょうのように幾皮もかぶっておるのが多いでなあ)
滅多にいわないが、そんなことを臨済寺の縁でもらしたことなども、元康の耳にのこっていた。
「おお、はや参った」
その雪斎の踏み渡って行くのは、乾門の唐橋であった。元康は一足おくれて榊原平七に何か云いおき、また、乗馬も小者の手にあずけて、老師の後から城内へ姿をかくした。
鉄漿将軍
ここが城壁の内とは思われなかった。それほど華麗な館であった。足利将軍の奢侈と室町御所の規模をそのまま移したかのようである。