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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,353 字 · 371 頁

青空文庫

「てまえは、やがて直ぐ、また、十河の陣所へ曳かれなければなりません。ですから、誰方でもよろしい。先年、織田殿から仰せつかった賦課金二万金を船積みして、ひそかに、港を脱け出して、堺の町民は異心のない旨をちかい、何とか、兵火にかかることだけはないように、御思案を仰ぐのです。――わたくしは先ずその発議者として、自分の蔵は開け放ちます。どうか方々にも、合力を惜しまれず、こよいのうち二万金を作って、船出していただきたいのでございます。――この議をお諮り申すために、実は、一釜かけてお招き申したわけでした。どうぞ御助力をねがいまする」

公方家再興のため。

という名目で、去年、信長から発令された賦金は、もとより堺だけに課せられたわけではない。

畿内の繁栄地は、その人口や経済力に応じて、それぞれ上納をいいつけられた。

寺院は、わけて多額な賦課を割りあてられ、石山本願寺だけで五千貫、奈良は三千貫も徴発された。

その比例でゆけば、堺にいい渡された二万貫は、その富力から見ても、決して苛酷でも、難題でもなかったのである。

――まして、信長の用途は、世間へはっきりしていた。