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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 頁

青空文庫

秀吉が、信長に、

(彼は愛すべき馬鹿者です。お怒りになるには足らん正直者でもござる)

といったのは、けだしあの際、信長をなだめるには、最善なことばだったかも知れないのである。

けれど、信長にとって、決してそう軽視していられないことには、

――何しても彼は強い!

その豪勇と、彼の占めている重要な位置にある。

加うるに、これが麾下の諸将へどうひびくか、心理的な影響も重大視された。――ために信長としては、明智光秀や松井友閑をやって慰撫してみたり、そのほか百方手をつくしてみたが、結局、村重としては、

(いちど敵対を示した以上、うかと甘言に乗って、安土の召しに応じなどしたら、その場で刺殺されるか投獄ときまっている)

と、なおなお、猜疑を深うするばかりで、その間に却って戦備を増強していた。

(このうえは!)

と、遂に荒木退治を宣言して、信長自身、兵をひきいて山崎まで出馬したのが、十一月九日の頃だった。

安土の大軍は、三手にわかれた――一手は、滝川一益、明智光秀、丹羽五郎左衛門などの諸部隊をもって編制され、これは茨木城の中川瀬兵衛清秀をとりかこむ。

また一手は。

不破、前田、佐々、金森などの諸隊が結びあって、高槻の高山右近を包囲する。