輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 180,256 字 · 361 頁

青空文庫

むしろ、彼は、

(――誰が次には、この城の主となって坐るだろうか)

などと考えて、また、

(鷺山の道三もだ! ろくな末路を遂げまい)

と、信じた。

君臣の道もないところに、国土の堅固がどうしてあろう。父と子とが謀りあい、猜疑し合っているような領主の下に、どうして民の信望があろう。

文化的には、ここは沃野をかかえ、嶮山を負い、京都諸地方への交通路を扼して、天産に恵まれ、農工も旺んだし――水は麗しく、女もきれいだが、日吉は心のうちで、

(腐えている!)

と、観た。

信じて疑わなかった。

だから彼の頭は、その腐えたる文化の中にうごめく蛆についてなど考えている遑がなかった。一足跳びにすぐ、

(次の城主は誰か?)

に、思い至っていた。

同時に。

彼は一つの滅失にぶつかった。それは今、自分が飯をもらっている蜂須賀小六にである。

野武士、野武士と、世間はとかくよくいわないが、小六その人を直接に知ってみると、彼は正義の男だし、遠い家系の血をひいて卑しくないし、人物もまず一かどといってよいし、日吉も日常、彼に頭を下げて、吩咐を受けることを少しも恥としなかったが――さて、ここで少し考えさせられる。