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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 180,256 字 · 361 頁
かれの大きさとは、そんな程度のものではない。
わたくしのこの「新書太閤記」は、まだ秀吉の大往生までは書けていない。彼も英雄というものの例外でなく、晩年の秀吉は悲劇の人だ。大坂城の斜陽は“落日の荘厳”そのものだった。私はむしろ、彼の苦難時代が好きである。この書においても、秀吉の壮年期に多くの筆を注いだのは、そのためだった。また、ひとり秀吉だけの行動を主とする太閤記でもありたくなかった。尠くも、信長出現以後、天正・慶長にまでわたる無数の星、惑星の現没にも触れてゆきたい。特になお、家康が書けていなくては、太閤記は完しといえないと思う。
むかしからある多くの類本、川角太閤記、真書太閤記、異本太閤記など、それから転化した以後の諸書も、すべてが主題の秀吉観を一にして、彼の性情を描くのに、特種なユーモラスと機智と功利主義とを以てするのが言い合わせたように同型である。
かつての太閤記作家もみな、秀吉の人間とは、なかなか、真正面に組みきれなかったことが分る。わたくしはそういう逃げ方はしまいと思った。わたくしの力不足はわかっているが、彼もまた、わたくしたちと同じ血と凡愚をもっていた一日本人であったという基本が、何よりも著者の力であった。