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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (下)(いちかわくめはち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,172 字 · 277 頁
欧風熱は沸騰して、十二年の九月には、外国役者の一座、英、米、仏人混合の一座をかけたりしたが、言葉がわからないので一般には不向きで不入りだったという、種々の経緯はあったが、新富座は劇道人の向上にはたいした役割をもった。その後、麻布鳥居坂の井上邸で、天覧芝居という、破天荒の悦びをもつことになったのだ。
読者は、本文と、関係もなさそうなことを、なんで長々と書いているのだと、お思いになるかもしれない。この辺で、閑話休題と書くところなのだろうか、実はなかなか閑話休題どころではない。
明治十二、三年から、浜子の生れた十四年以降の、劇界の開展は、こんな時代だったのだが、すべての世の中も、またこんなふうな発展進歩の途をとっていた。新富座主が新機運を掴んだ機智と並んで、劇界の大明星であった、九世市川団十郎の人格、識見――伝統的大立物の風格が、当時の学者、識者、貴顕たちに、自分たちの埒外の分野から同格者を見出した欣びを以て尊敬し迎えいれられたことが見逃せない。団洲とよび、三升とよび、堀越と呼び、友達づきあいの交わりを求め許した。そして、団十郎以外にも、彼にならんで名人菊五郎のあることも知った。