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いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (下)(いちかわくめはち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,172 字 · 277 頁

青空文庫

「まあ、まあ、まあ。そうでございますか、浜さんが、やると申しましたか?」

顔中が、笑まいでくずれそうにいう母御へむかって、

「あなた方は、おやっちゃんが来たときから、気持に縛られてしまっていたのですよ。」

と、もう彼女は、楽劇「浦島」の初版本を出して来て、わたしのと突きあわしている。

改めて私は、もう一度、一番低い音をきかせてもらった。

「この絃を、もう三本か五本足して、箏の丈を、もう一尺ばかり長くして見ようか。」

私の空想は飛拍子もないことを言い出す。と、浜子は咄嗟に、

「わたしというものを、生み直させなければ、それは不可能でしょう。」

彼女はクックッ、おかしそうに、機嫌よく笑っている。わたしは、人並より小さな彼女を見直していった。

「しようがないな。」

「ほんとにしようがない。これで勘弁しといてもらいましょう。」

大正三年の二月、狂言座は、夏目漱石、佐佐木信綱、森鴎外、坪内逍遥、という大先輩の御後援をいただいて、鴎外先生は新たに「曾我兄弟」をお書き下さるし、坪内先生は、「浦島」の中之段だけ、めちゃくちゃにいじるのを御寛容くださるし、松岡映丘氏は、後景、衣装を全部引きうけ、仲間になって下さった。