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いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (下)(いちかわくめはち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,172 字 · 277 頁

青空文庫

唐人髷が大好きだったことは友達が知っている。

美妙斎は二十七になった美丈夫だ。白皙、黒髪、長身で、おとなしやかな坊ちゃん育ちも、彼の覇気は、かなり自由に伸びて、雑誌『都の花』主幹として、日本橋区本町の金港堂書店から十分な月給をとっていたうえに、創作の収入も多かった。

裄を、いくら伸して見ても、女の着物の仕立は、一尺七寸五、六分より裄は出ない。

大柄な娘というのではないが、錦子はシックリした肉附きだ。丸い肩の上に、五分ほどつまんだ肩上げが、地方から出て来た娘々して、何処か鄙びているのを、美妙は、掘りたての、土の着いている竹の子のように、皮を剥いていった下の、新鮮なものを感じていた。

立った姿も、思いがけなく、すんなりしているのに、この娘のアクをおとしたならば、素晴らしいと見た。

この娘が、無口でいて、体で、何か雄弁に語っているのに気がつくと、紙へ書かせたならば、無口なだけに、案外大胆なことを書くのではないかと思ったのだろう。

「絵を習うよりは、君は、書いた方が好いかも知れないね」

と、力を入れてやっても好いふうに言った。

アクをおとしたならば、と美妙は錦子を見たが、そういう美妙もアクのある好みの方だった。