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いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (下)(いちかわくめはち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,172 字 · 277 頁

青空文庫

「僕が、こんなことで厭になったのなら仕方がないが、君だけは、小説家としての僕を、知ってくれるはずだが――」

と、怨みっぽくさえいうのだった。

他人が見捨るなら、あたしは――という、不思議な反抗心が、一度は美妙に失望した錦子に、美妙を救おうという気を起させた。

そして、そう思ったことが錦子にとって、今までにない楽しさをもって来た。天涯孤立となった美妙は、錦子を、いなぶね女史として無二の話相手にしだした。錦子にとっては嬉しいことばかりだった。愛されるばかりでなく、急に一人の文学者として、美妙に遇されるようになったのだから――

人の噂も七十五日、あれまでにやられると美妙斎も復活しだした。稲舟も『文芸倶楽部』が博文館から発行されると、前に書いてあった「医学終業」を出して、目をつけられるようになった。「白ばら」は最初ての閨秀作家号に載るし、「小町湯」や美妙との合作もつづいて発表された。

稲舟の作品は、美妙を離れないともいわれた。美妙に、令嬢気質を捨てろとでもいわれたためか、お転婆な、悪達者だともいわれ、莫蓮女のようにさえ評判された。美妙との関係がそうさせたのでもあるし、そんな、ゴシップ的ばかりでなしに、女流作家のなかでの人気ものにした。