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いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (下)(いちかわくめはち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,172 字 · 277 頁

青空文庫

それは、伝右衛門氏が五十二歳であるということや、無学な鉱夫あがりの成金だなぞということから、胡砂ふく異境に嫁いだ「王昭君」のそれのように伝えられ、この結婚には、拾万円の仕度金が出たと、物質問題までが絡んで、階級差別もまだはなはだしかったころなので、人身御供だとまでいわれ、哀れまれたのだった。

人身売買と、親戚補助とは、似ていて違っているが、犠牲心の動きか、強いられたためか、父と子のような年のちがいや醜美はともかくとして、石炭掘りから仕上げて、字は読めても書けない金持ちと、伝統と血統を誇るお公卿さまとの縁組みは、嫁ぐ女が若く美貌であればあるだけ、愛惜と同情とは、物語りをつくり、物質が影にあるとおもうのは余儀ないことで、それについて伯爵家からの弁明はきかなかった。

だが、そのままでは、※(「火+華」、第3水準1-87-62)子さんはありふれた家庭悲劇の女主人公になってしまう。甘んじて強いられた犠牲となったのかどうか。それは彼女の後日が生きて語ったではないか。

この手紙は今年の春(大正十一年)中野の隠れ家からうけた一節で、

只今お手紙ありがたく拝見いたしました。