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いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (下)(いちかわくめはち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,172 字 · 277 頁

青空文庫

そんなこと言ったことのない人でしたが、よっぽどさびしくなったのだと見えて、練馬の宅には離れも二ツあるから、一緒に住まないかとも言いました。二男を子にくれないかともいいました。けれどあんな気象の人ですからどこまで本気なのかわからないので誰も本気で聞かなかったので、あとでは強い人があれだけいったのには、いうに言えないさびしさがあったとは思いましたけれど――

そうそう、よく死ぬのは何が一番苦しくないだろう。縊死が楽だというけれどというので、いやですわ、洟を出すのがあるといいますもの、水へはいるのが形骸を残さないで一番好いと思うと言いますと、そうかしら、薬を服むのは苦しいそうだね。と溜息をついたりして、変だと思った事もあったのですが、大阪へいっても死ぬ日に、たった一人で住吉へお参詣に行くといって、それを止めたり、お供がついていったりしたら大変機嫌がわるかったのですって、それから帰って死んだのですが、あとで聞くと、住吉は海が近いのですってねえ。」

わたしは静にきいていた。故衷博士がこの姉妹ふたりを並べて、ませ子は部屋で見る女、栄子は舞台で見る女といったというが、わたしは、老年の衷氏の前にいる欣々女史は孫、もしくは娘のような態度で無邪気そうに甘えていたことを言って見た。