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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (下)(いちかわくめはち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,172 字 · 277 頁
と、黄白い四角い顔の、腫れあがったような眼瞼に掌をかぶせて、
「ただいまで申す、殴りこみのようなことを、彼女がいたしましたので――」
新旧思想の衝突――さまざまな家族苦難の一節の、そんなことを話すように、口がほぐれて来たのは、記念の写真をとったり、お墓へ参ったりしたあと、谷中名物の芋阪の羽二重団子などを食べだしてからだった。
「それはどんな訳で?」
と、きいたものがある。
「荷物でしたかなんだか、なんでもわたせと、男どもを連れて押かけてくるというので、それならばと、こちらでも、用心して人もいたのですが――戸障子をたたき破すような騒ぎで、その時、乱暴人に眼を打たれました。」
視力も失したとでもいったのか、まあね、という嘆息もまじってきこえた。
「あ、あすこの――あの時の方ですか?」
後向きの男の人の一人が、そんなふうに言っている。も一人の人は、遠藤氏といって清子さんとは同姓であって、死ぬきわまで一緒に暮していた人だということを、誰だったか、ささやいていた。
雑誌『青鞜』や、その他の書籍がひろげられて、なき人の書いたものが載っているのを、人々は見廻した。しめやかではあるが、わやわやしたなかなので、気分も悪いわたしは、近間で話している、ほんの一つ二つの逸話しか耳に残らなかった。