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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (下)(いちかわくめはち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,172 字 · 277 頁
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その後の清子さんは、切花や、鉢植の西洋花を売る店をひらいた。
泡鳴氏からの物質は約束通り届けられなかったものと見えた。後には、店の面倒をよく見てくれたり、深切にしてくれた青年と結婚した。大正九年に、その人との中に女の子が生れたので、夫の郷里京都へ、もろもろの問題を解決に旅立ったが、持病の胆石が悪化して、京都帝大病院で亡った。
暮の押迫った時分だった。『青鞜』はもうなくなったが、新婦人協会の仕事で、平塚さんは東京が離れられなかった。ありったけの手許の金を送ってやると、
「まあ、あの人も、仕事のことで、いま、お金がなくって困っているだろうに、送ってくれるなんて、少しでも、これは実に尊いお金だ。」
と、悦んだが、その時分には死を充分覚悟していて、泡鳴氏との遺児を、友達に頼みたいということを、遺言の第一に書いた。
悲しい結びつきであった。泡鳴氏にしても、大正四年四月、「新体詩作法」と、「新体詩史」を合したものを提出して、博士論文を要求していたのだが、審議に上っていた時に、清子さんと蒲原房枝とをめぐる事件の、世評がやかましくなったので、殆ど通過する間際になって否定されたということだ。