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いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (下)(いちかわくめはち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,172 字 · 277 頁

青空文庫

夏目先生は、楠緒さんのおなくなりの時に、「あるほどの菊投げ入れよ棺の中」という手向の句をお詠みになりました。

『硝子戸の中』その章をお読みなさった大塚保治博士は、「漸く忘れようとすることが出来かけたのに、あれを見てからまた一層思いだす。」と仰しゃったそうです。嘘かまことか知りませんが、正宗白鳥さんが角帽生という仮りの名でお書きなされたものの中に、大学の文科においでなさった頃の博士と、前東京控訴院長大塚正男氏の長女の楠緒さんとは、思いあっておむかえなされた仲のように書かれてあったかと覚えております。そうでなくても女史ほどの御配偶をお先立てなされたお心持ちは、思出さぬようにとするのが無理な諦めだと、お察しすることが出来ます。

明治の文壇に、才媛の出身者を多くだしたのは麹町の富士見小学だときいております。岡田八千代女史も、国木田治子女史も富士見小学で学ばれました。楠緒女史もお二人よりは、早くの出身でした。一橋の高等女学校を卒業なされて、博士の留学のお留守中にも、明治女学校に通い、松野フリイダ嬢に学び英語を専習されました。ピアノは和歌と同門の友橘糸重女史に教えられてお出でした。