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ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《智恵の一太郎(ちえのいちたろう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 67,333 字 · 134 頁

青空文庫

よし、それじゃ、どちらがあたっているか、さっきの紙の下をしらべてみよう」

高橋さんは、そこでやっと、二人に門の中へはいることをゆるしました。見ると、白と黒の洋紙はもとの場所に行儀よくならんでいます。ところが、その高さが少しちがっているのです。黒い方がひくく、白い紙の方が高く、二枚の紙の間に段ができていました。

「いいかい、こちらが黒、こちらが白だよ」

高橋さんはそう言って、二枚の紙をはがし、そのあとの雪の高さを二人に見せました。やっぱり黒い紙の下が、ほんの少しですが、ひくくなっているのです。

「一太郎君の答があたったね。このとおり黒い紙の下の方がよけいに雪がとけている。同じあつさの紙でも、黒と白とでは、これだけ雪のとけ方がちがうのだよ」

高橋さんは二人によくそれを見せておいてから、そのわけを説明して聞かせました。

「君たちは学校でプリズムを見せてもらったことがあるだろう。ガラスの三角柱で、あれを通して太陽の光をわけてみると、赤や黄や青や紫や、いろいろな色が、虹のように縞になって見えるね。

太陽の光は白く見えているけれども、その光の中には、プリズムで見るような、さまざまの色がふくまれているのだよ。