輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

さくらじま

桜島・日の果て・幻化

梅崎 春生

線上閱讀梅崎 春生《桜島・日の果て・幻化(さくらじま)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 169,810 字 · 345 頁

青空文庫

「二度も?」

「ええ。初めは瀬戸内海の上空で、二度目は大分空港の待合室で。待合室では煙草の火を借りた。あんたは肩布をかけた代議士らしい男の方を見ていたね」

「ああ。そんなのがいたね。迎え人がたくさん来ていた。あれ、代議士か」

「そうでしょうね。大分からは、五人になってしまった」

待てよ、と五郎は考えた。五人ならもう座席指定でなく、どこにも腰かけられる筈だ。それなのに横の座席に執したのは、何故だろうか。

「たかが五人乗せて、商売になるもんですかねえ」

「わたしはぼんやりしてたんだ。久しぶりに娑婆に出たんで、感覚が働かない。話しかけられても、聞えなかったんだよ。きっと」

「娑婆? するとあんたは――」

丹尾は言いにくそうに発音した。

「それまで留置場かどこかに、入ってたんだね」

「留置場?」

五郎は丹尾の顔を見た。

「留置場、じゃないさ。君は知っているんだろ」

丹尾は首を振った。

「何も知らないよ。ちょっと様子がへんなんで、注意していただけです。いけないですか?」

五郎は急に頭に痛みを覚えた。痛みというより、たがのようなものでしめつけられるような感じであった。彼は両手をこめかみに当てて、揉みほぐすような仕種をした。