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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

線上閱讀下村 湖人《次郎物語(じろうものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 146,773 字 · 294 頁

青空文庫

。

で、大巻一家、ことに運平老と徹太郎の二人は、お芳以上にそのことを心配して、日曜ごとに次郎が訪ねて来るのを待ち、ついにその姿が見えないと、翌日は徹太郎がわざわざ本田の家に寄って、それとなく様子をさぐって来るといったふうであった。

しかし、運平老は、次郎が訪ねて来さえすれば、もうそれだけで嬉しくなってしまったというふうに見え、眼をぱちくりさして、ひょうきんなことを言い出すし、徹太郎は徹太郎で、運平老の言葉尻をとらえたり、それに調子を合わせたりして、次郎をすぐ愉快な空気の中にまきこんでしまうのであった。そして、多少でも次郎が何かにこだわるようなふうが見えると、運平老はすぐ彼に竹刀を握らせるし、徹太郎だと、登山の話をしたり、彼を田圃につれ出してひっぱりまわしたりするのだった。

登山というと、徹太郎が、約束どおり、恭一と次郎とをつれて山に寝たことも何度かあった。そんな時には、次郎は徹太郎をまるで友達ででもあるかのように心得て、おしゃべりもし、いたずらもした。そして、天幕を張ったり、薪を集めたりする時には、恭一とはくらべものにならないほどのすばしこさで仂いた。