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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
線上閱讀下村 湖人《次郎物語(じろうものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 146,773 字 · 294 頁
七 枕時計
それは勇気があるからさ。正しい勇気さえあれば、どんなことにだってぶっつかって行ける。本田のように好き嫌いがあるのは、ちと卑怯だぞ。」
先生はまた「卑怯だぞ」と言った。そして次郎には、この時ほど先生の「卑怯だぞ」がぴんと心にひびいたことはなかった。
(そうか、先生はそんなことを考えていたんか――)
次郎は、何度も心の中でそう思いながら、このごろにない快い興奮を感じた。
間もなく、みんなは一軒の茶店にはいって弁当をひらいたが、その頃には、次郎はもうほかの児童たちといっしょになって、いつものとおり元気よくものを言っていた。
七 枕時計
入学試験の第一日は無事にすんだ。その日は、次郎の得意な読方や綴方だったので、彼は成績にも十分の自信を得て帰って来た。
第二日目は算術だった。
算術は、どちらかというと、次郎には苦手なのである。恭一はそれを心配して、次郎が正木から帰って来たその日から、ほとんどつきっきりで、その方の勉強を手伝ってやった。二人は頬をよせあって問題を解いた。次郎は、学校で先生に教わるのとは何かちがった、身にしみるような新しい気持で勉強に熱中するのだった。