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かいじょうのみち

海上の道

柳田 国男

線上閱讀柳田 国男《海上の道(かいじょうのみち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 182,344 字 · 353 頁

青空文庫

一つの推測は氏族の競争、これに伴なうところの信仰の僅かずつの相異である。近い頃戯曲にまで作られた赤蜂本瓦(アカブザホンガワラ)の乱の石垣の島に起ったのは、明応九年(一五〇〇)の出来事であった。その政敵であった長田大主(ナータフーヂ)は、古見に遁れて生命を全うし、援を中山に乞うたということが、『由来記』に見えているが、そういう遠方の聯絡ができたかどうかはおぼつかない。察するに隣島宮古島の有力な首領仲宗根氏が、すでに八重山に手を着けていて、長田氏もまたその企てに参加していた故に、背後の力も頼みやすかったので、しかもこの時代の古見はなお昔ながらの文化の中心であって、かの宮古島の仲宗根豊見親なども、或いは時あってこの地に来往していたかと、思われる節があるのである。アヤゴと称する古い宮古の物語歌の中に、「古見の主」および「四島の主」という二つの曲目があって、今も女性によって暗誦せられているが、現在の島人たちはこれを解説して、宮古島にも別に一つの古見があった、四島はただ四つの部落のことだったと思っているようだが、外部の私たちにはそれはまだ信じにくい。宮古の古見という地の存在が明示しにくいだけでなく、八重山の方の古見にこそ、小浜・竹富・新城・黒島という四つの島があって、昔の首邑の東南面を防護するかのように併列している