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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《海上の道(かいじょうのみち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 182,344 字 · 353 頁
一一
『南島雑話』の誌すところでは、頓賀は二日つづき、甲子をもって始まる。八月に甲子の日なければ、九月の甲子をもって高祖の祭をしたとある。喜界島などの或る村では、壬戌の日をもってそのいわゆるホウスを祭り、仲一日を置いて翌々日の甲子をもってドンガの日としている。以前は幾つかの行事がこの日に集合していたのを、後々鼠の忌を厳粛にするようになって、とくにその日を隔離する必要が起こったのではあるまいか。島の神山がまだ広々と茂っていた時代には、鼠が里に下って害を作すことも、今のように甚だしからず、是を遁れるために別段の方式も必要でなく、したがってこの日の謹慎も目的は他にあったのが、彼らの兇暴が堪え難くなるにつれて、次第にドンガの解釈が変ってきたらしいことは、鼠の忌言葉の変遷からも推測せられる。鼠をウエヘガナシまたはウンジャガナシなどと呼んで、一門親族の祖霊のごとく看做した動機は今一段と深いところにあって、単なる恐怖や不安に基づくものでなかったようである。
一一
いわゆるドンガの日の行事の一つとして、名瀬間切に行われていたシチヤガマという遊びは、是もその名の起こりを知ることができないが、甲子の前日に木を伐って小屋を建て、その中で甘酒を造って田の神を祭ったといって、その祭の日の歌詞が伝わっている。