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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《海上の道(かいじょうのみち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 182,344 字 · 353 頁
今日では勝連の文化というものが少しも残されていない。馬琴の『弓張月』にまで書かれている勝連按司の阿麻和利は、沖縄の歴史の上で、すっかり悪者にされてしまっているが、これは伊波普猷君などが早くから注意したように、勝敗処をかえれば忠臣とも逆臣ともなった戦国の世の習いであった。『おもろ草紙』を見てもわかるように、勝連が当時の文化の中心であったことは大和の鎌倉のごとしと歌われていた通りであった。
往時わが国では如何なる船を使って南北の間を航海したのであろうか。専門の造船業者のなかった時代を考えると、船材の得られる場所をみつけて、そこで船を造って用いたに違いない。たとえば安芸の国、それに周防など、今でも船材を多く出しているし、中世においては建築木材を出しており、奈良の大きな寺院の建立などには常に用材を供給していた。
日本人の渡来を問題にするとき、東海岸の航路を取り上げざるを得ない。どの辺にはじめて上陸したかについては、いろいろな説が成り立ち得るが、日向の高千穂に天から降りたということを承認すれば問題にならぬけれども、それがあり得べからざることとすれば、やはり日向などで船を仕立てて北上したことが想像される。