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げんだいてつがくこうわ

現代哲学講話

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《現代哲学講話(げんだいてつがくこうわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 268,337 字 · 522 頁

青空文庫

――普通決定論と呼ばれるものは、無限な事物乃至事件の個々の一つ一つが、前後関係から云って、次々に必然的に――原因結果の形をとって――決定されて行くと考えることを指す。処が例の不確定性の原理に従えば、例えば一つの自由電子が今A点にあると仮定しても、次の瞬間にそれがどの方向に向かって進んで行くかは正確には決定することが出来ない、元来がA点に於ける電子の存在自身が或る意味で一つのプロバビリティーに過ぎないのだから、之は寧ろ当然である。電子が存在する独立した個々の位置は、そのものとしては確定出来ず、個々の位置の集合した一つの集団現象として初めて電子の存在は確定出来る。だから個々の場合々々の電子は全く偶然に、因果律に束縛されることなく、云わば全く自由に行動することが出来る、ということになる。

因果律の否定、決定論の放擲、自由の導入、之こそ誠に物理学の危機であるように見える。――観念論的物理学者の或る者は、物理学自身の危機をも顧みず、却って之を善いことにして、之によって神の存在の証明を企てようなどとさえする(A・S・エディントン)。――だが因果律は本当に否定されるのであるか。