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げんだいにほんのしそうたいりつ
現代日本の思想対立
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《現代日本の思想対立(げんだいにほんのしそうたいりつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 頁
科学の民族性や、知識偏重論が横行する世間だから、科学の国際性を主張し、科学的精神の高揚を叫ぶ一部進歩的科学者が、益々ジャーナリズムへ傾いて行く情勢は、たしかに文化闘争が要請される客観的現実ではないか。田辺元の「科学政策の矛盾」や、小倉金之助の「自然科学者の任務」と云うような正論がヒットする自然科学思想の行詰りか、またはその貧困が、原因している結果なのだ。極言すれば、科学者の道が何者かの圧迫をうけているともみられる。「一方に於て文化科学社会科学に関する知識を制限して、知識の代りに情操と信仰とを鼓吹することを務めながら、他方に於ては主として国防充実の目的を以て自然科学の奨励に極力、力を致し」、「社会的現実の認識と批判とに導く理論の研究は極力これを抑止し、その理論的知識を出来る限り制限しようというのが」(田辺元)今日の政策の基調だとすればあきれる。こうした跛行性が今日の現実であれば、また科学ジャーナリズムも跛行的でしかありえないのだ。若し跛行性をジャーナリズムに於ても強要されるとすれば、ジャーナリズムは、最早文化的形態ではありえないだろう。科学のジャーナリズムが文化的である所以のものは、それが進歩的であり、科学的であり、随って指導的、啓蒙的役割を保有しているからだ。