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くさもみじ
荷風随筆集(下)
永井 荷風
線上閱讀永井 荷風《荷風随筆集(下)(くさもみじ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 30,512 字 · 63 頁
わたくしが人より教えられざるに、夙く学生のころから『帰去来の賦』を誦し、また『楚辞』をよまむことを冀ったのは、明治時代の裏面を流れていた或思潮の為すところであろう。栗本鋤雲が、
門巷蕭条夜色悲 〔門巷は蕭条として夜色悲しく
※(「休+鳥」、第4水準2-94-14)※(「(卯/田)+鳥」、第4水準2-94-32)声在月前枝 の声は月前の枝に在り
誰憐孤帳寒檠下 誰か憐まん孤帳の寒檠の下に
白髪遺臣読楚辞 白髪の遺臣の楚辞を読めるを〕
といった絶句の如きは今なお牢記して忘れぬものである。
○
欧洲の乱が平定し仏蘭西の国土が独逸人の侵略から僅に免れ得た時、わたくしは年まさに強仕に達しようとしていた。それより今日に至るまで葛裘を変ること二十たびである。この間にわたくしは西洋に移り住もうと思立って、一たびは旅行免状をも受取り、汽船会社へも乗込の申込までしたことがあった。その頃は欧洲行の乗客が多いために三カ月位前から船室を取る申込をして置かねばならなかったのだ。わたくしは果してよくケーベル先生やハーン先生のように一生涯他郷に住み晏如としてその国の土になることができるであろうか。