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つうぞくこうぎ れいこんふめつろん

通俗講義 霊魂不滅論

井上 円了

線上閱讀井上 円了《通俗講義 霊魂不滅論(つうぞくこうぎ れいこんふめつろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 75,415 字 · 148 頁

青空文庫

また、死後にありて今世のことが知れるか知れぬかは別問題にして、最初に不滅問題を決して、後に論ずべきものなれば、霊魂滅亡論の口実とはなりませぬ。もし、記憶の連絡の有無を論ずるに至りては、なんぞ現在世界と未来世界との間のみでなく、現世一代の間にも記憶の連絡はおぼつかない。われわれの記憶中には、十歳以前の幼時のことは暁天の星のごとく、かすかに二、三を想起するに過ぎませぬ。いわんや五歳以前のことに至りては、全く無記憶と申してよろしい。今より幼時を回想すれば、子供の間は年中眠りてばかりいて、二、三年目にわずかに一、二度くらい目をさませしかのごとくに考えられます。これ拙者ばかりでなく、だれも同様であろうと思います。世間にて仏教の三世説に対する俗難中に、過去世界の存せざる証拠には、己の心中をなにほど尋ねてみても、さらに前世の記憶を見いださぬではないかと申しますが、拙者はこれに対して、己の記憶に考えて知れないことは、すべてないものときめてよろしいならば、一、二歳の赤子のころ、および母の胎内にありしときのことは、記憶上に覚えがないから、余は母の胎内に宿りしことはない、一、二歳の赤子のときもなく、空中より急に飛び出して、すぐに五、六歳以上の童子になりたるに相違ないと定めてよろしい道理であると答えております。