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つうぞくこうぎ れいこんふめつろん

通俗講義 霊魂不滅論

井上 円了

線上閱讀井上 円了《通俗講義 霊魂不滅論(つうぞくこうぎ れいこんふめつろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 75,415 字 · 148 頁

青空文庫

ゆえに、もし霊魂をこれに比するを得ば、死後再びこの世界に、その作用を現ずることありと断言してよろしい。かつ俗物連中も、世界の事々物々は一として真に滅するものでないことは、万々承知しておらるるに相違ありませぬ。その証拠は、己の財布に十円札を入れておきたるに、翌朝その中に見えざる場合には、なんと申しますか。必ず人に盗まれたるに相違ない、なぜなれば、いったんありしものが、なくなる道理はないからと申しましょう。これ、ひとり財布の中の金ばかりでなく、一切の事物に通じている規則であります。もし、これを学術上の言葉にて申せば、有を転じて無となすべからず、無を化して有となすべからずということになります。この規則は、あらゆる学術のもとづくところの大道理なれば、いかに俗物の人たちが集まりてかれこれ申したとて、この道理を動かすことはできませぬ。たとい鴨川は北に向かって流れ、太陽は西より出ずることがあろうとも、この道理だけは決して変わる気遣いはない。そうして見れば、霊魂は不滅なるに相違ありませぬ。なぜなれば、霊魂とは人の精神のことにして、精神は生時に実在していることは、だれも疑うものはありますまい。