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じんるいのせいぞんきょうそう
進化と人生(上)
丘 浅次郎
線上閱讀丘 浅次郎《進化と人生(上)(じんるいのせいぞんきょうそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 82,343 字 · 164 頁
そのありさまを形容して言えば、あたかも別にすべての個体に共通の団体意志(Volitio cormi)とでも名づくべきものが、意識の範囲以外の精神的作用として各個体に存し、これが各個体にかかる行為をなさしめているので、操り人形が糸に従うて動くごとくに、各自は少しも理由を知らずに、団体の要求に従うてかかる動作をなしているように見える。もし猿に人間ほどの知力と言語とがあったならば、猿は必ず自己の行為の規範とやらを研究し、団体意志に操られて本能的に働いていることは自分らには気が付かぬから、自分らの行為の原因目的がわからず、ただなんとなく心の奥にかかる行為を命ずる或る物が隠れているかのごとくに感じて、あるいは厳粛命令(Kategorischer Imperativ)に従えばよいとか、あるいは至善(Summum bonum)に向こうて進めばよいとか種々雑多の空論を考え出すことであろう。
また各個体が自己の欲情をたくましくしては団体が保てぬから、団体の要求にそむいた個体がある場合には、他の個体等が集まって必ずこれに制裁を加えるが、これも一団体内の個体の数がふえるにしたがい、あたかも単に悪を悪として罰するごとき観を呈するにいたる。