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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁
ながい、にらみあいでした。しかし、妖虫は、すこしも動きません。賢二君がうしろをむいて、にげだすのを、じっと待っているかのようです。
それには、ひじょうな勇気がいりました。しかし、賢二君は、やっとその勇気をふるいおこして、あとも見ずに、部屋をかけだすと、ころがるように階段をおりました。そして、ワッと、泣きだしたのです。「どうした、どうした。」と、みんなが集まってきましたが、またしてもカブトムシが、あらわれたときき、その場所があまりへんなので、おとうさんも、きゅうには信用しません。賢二君は、こわいこわいと思っていつづけて、頭がどうかしたのではないかと、心配になってきたのです。しかし、ともかく、ねんのために、ふたりの書生をつれて、二階の広間をしらべてみることにしました。
三人でその部屋にはいっていきますと、なるほど、床の間にへんなものがいます。
「おい、電灯をつけなさい。」
書生のひとりが、スイッチをおしますと、パッと、部屋があかるくなりました。それと同時に、三人は、おもわず「あっ。」と声をたてて、廊下へ、とびだしてしまいました。たしかに、巨大なカブトムシが、そこにうずくまっていたからです。