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ずいひつ みやもとむさし

随筆 宮本武蔵

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《随筆 宮本武蔵(ずいひつ みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 141,786 字 · 278 頁

青空文庫

しかし、ずっと後の千葉周作の廻国日記など見ても、まだまだ江戸末期までも、武者修行の数は非常に多かったものらしく、幕末頃にはまた、その人たちの生活も、もっと合理的な社交性すらもって、相変らずそう不自由なく、諸国を歩けたものらしかった。

それはちょうど、現在の社会でも、舌一枚で地方講演に廻るとか、講習会をしたり、或は画家が画筆をもって旅行しても決して、飢えることがないのと相似て遠くないものであった。

柳生家と将軍家との如く、或は他の藩主とその臣下の剣道家といったような、密接な関係のある者で、主命として廻国に出た者も決して尠くない。

柳生旅日記で聞えている十兵衛三厳は、寛永三年の十月、二十歳の時、家光の御前を退いて即座に髻を断り、狂を装って旅へ立去ったまま十一年間――三十一歳まで諸国を経巡って帰らなかったということである。

かれの自筆本、月之抄は、現在奈良県添上郡の柳生寺に、今も所蔵されているが、その別本「新蔭月見伝序」を見ると、

寛永三年十月、さる事ありて

という書き出しで

君の御前を退て和ならず山に分け入りぬれば、自ら世をのがると人はいふめれど、物うき山のすまひ柴の庵の風のみあれて、かけひならでは露訪なふものもなし……(中略)