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ずいひつ みやもとむさし

随筆 宮本武蔵

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《随筆 宮本武蔵(ずいひつ みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 141,786 字 · 278 頁

青空文庫

「道」の人・武蔵

――道から道へ、道から道へ、たとえば、西行の旅にも似て、芭蕉のさすらいにも似て、それとは、意も行も、形も違うが、遍歴に暮していたものと思われる。

すでに二十一歳の折に、また二十九歳の青年時代に、一乗寺村だの巌流島で、あれほどに、しかも京都や九州の中央の地から、武蔵の名は、相当に当時でも喧伝されていたはずである。――そうした時代の寵児が、余りにも今日、遺されている事蹟の少ない点から見ても、彼の旅は、またその修行は、極めて地味な、――雲水的な、孤高独歩の境を好んで歩いたものであろう。

「道」の人・武蔵

彼の目がけた「道」への究明と、それに伴う「人間完成」の鍛錬のためには、どうしてもそう成らざるを得なかったに違いない。たとえば、武蔵が生涯、妻を娶らなかったという問題などでも、よく「なぜ?」という話題を生ずるが、それは身を賭して一道に潜心することが、いかに血みどろな苦闘精進を要するかを知る人には、すぐ解ることだと思う。しかし、その道は、余人は知らず、当人には、またなく、楽しいものであったにちがいない。なぜ芭蕉は妻を持たなかったか、西行は妻を捨てたかという問題とも一つになる。