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ずいひつ みやもとむさし

随筆 宮本武蔵

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《随筆 宮本武蔵(ずいひつ みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 141,786 字 · 278 頁

青空文庫

年表とその空欄

分っていない間は、樹下石上の武者修行生活をしていたものと観るしかないのである。ただ、その間に飛石のようにぼつぼつと地方的な逸話だとか、他の武人と試合った話とかが、たまたま遺されているに過ぎない。

彼の全貌が、やがて大成された相を以て、はっきりと再び吾人の眼に泛び出して来るのは、何といっても、晩年熊本に定住してからの武蔵である。五十七歳以後、六十二歳で示寂するまでの彼である。もっともその前にも、五十五歳で養子の伊織を具して、小笠原忠真の軍監として島原の乱に出征していたり、二、三明白な事蹟もあるけれど、その言行までは詳しく遺っていないのである。

見るが如き彼の風采や、聴くが如き彼の言葉は、およそ熊本に落着いてから後の武蔵のものであって、それを通して彼の青年期や少年時代を推知する便宜も少なくはないが、余りに晩年の彼をもって、生涯の彼を律してしまうことも、過りが多いのではないかと考えられる。

年表とその空欄

以上、武蔵の生きていた時代を、その年齢に応じて、四期に分けてみるならば、

天正十二年から、慶長五年の関ヶ原の役までを――(彼の少年期に)

慶長五年から、元和元年の大坂陣までを――(彼の青年期に)