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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《随筆 宮本武蔵(ずいひつ みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 141,786 字 · 278 頁
新免家三代の在城期間は、明応二年から慶長五年までの約百年であった。関ヶ原の役に浮田家の敗滅と共に、新免家も亡び、竹山城もまた、徳川家の勢力に組み入れられてしまった。
関ヶ原の役には、武蔵も十七歳で戦に出て、その以後は、郷里に住んだ様子もないから、彼もまた、その少年期だけを、この山間城下の殷盛になずみ、竹山城の壊滅と共に、郷土から姿を消したわけである。
武蔵の少年時代も、こうあったろうかと想像されるような村の少年達が、何百名か階下の講堂に集まって、私の講演を待っていた。校長や村長たちに乞われるまま、私はそこで約一時間ばかり、少年たちに、郷土と日本の力、古人は今も生きている――というような話をした。
それからすぐ私は、武蔵の出生地、新免無二斎の屋敷址へ行ってみた。ここも小学校から大原町へ行く往来のそばで、何町も離れていない所だった。道路を貫いて一すじの小川があり、その石橋を境にして、一方は荒巻神社の境内になっている。
宮本家の屋敷址というのは、その境内と小川を距てて隣り合った畑地である。俗にセドと称んでいる地で、道路の前面が約三十間、横十八間ほど低い石垣で囲まれている。