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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《随筆 宮本武蔵(ずいひつ みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 141,786 字 · 278 頁
画人としての宮本二天 ――彼の画境と、その遺墨について
と自ら書いているのは、彼自身が自身の心へ云い聞かせている言葉であって、その情血のうちには、常に手綱を離せない煩悩やら、れんぼの愚痴やら迷いやらが、いかに複雑に潜んでいた彼であったかが、読みとれるのではあるまいか。
もし表面の文字どおりに、自身に何の不安も認めないし、枯木寒巌の高僧のような心境であったとしたなら、何も、あえて、そういう言葉書を誌して、自戒とする必要はないであろう。ただあの辞句を批判的にのみ見て、武蔵の道念を高いとか低いとか、論じる人もあるが、私は以上のような見解から、他の五輪書や兵法三十五箇条などの遺文以上に、彼の独行道というものは、深く玩味してみると、そこに人間武蔵のおもしろさが津々とつつまれているような気がする。そしてここにも彼の強い反省心の特質と、不断の心がけが窺えると思う。
画人としての宮本二天
――彼の画境と、その遺墨について
武蔵は、画家ではないが、画人ではあった。
もとより余技に描いたのであるが、その画は、卓抜した一見識のあるものである。武蔵研究のすすむにつれ、いまでは、日本美術史上からも、逸すことのできない一人となっている。